ここではFXに関するリスクについて詳しく説明していきます。FXは怖いイメージがあると思いますが、きちんとリスクを理解すれば決して怖いことはありません。丁寧に解説していきますので、最後まで読んでいただければFXのリスクを理解して安全に資産運用できる方法を理解できます。
FXのリスク
投資や資産運用にリスクはつきものですが、FXのリスクは数字化できます。これが最大の特徴だと考えています。
トラリピ(FX)は、運用資金と仕掛け方(ポジションをどのように持つかの設定)で、「為替相場がいくらになったら損失が出る(ロスカット)」と簡単に計算できるため、私のとってはこれ以上分かりやすくリスク管理ができる資産運用はないと考えています。
そして、このロスカットがFXのリスクになります。ロスカットの仕組みをしっかりと理解することが、FXのリスクを理解する事になるのです。
それでは、FXのリスクについて詳しく見ていきましょう。
含み損
ここでの説明は、FXの基礎知識があることを前提に説明していきますので、読んでいて難しいと感じる方は、別記事の「FXの基礎」を先に読むことをお勧めします。
ロスカットの説明する前に、まずは、「含み損」について理解する必要があります。
含み損とは、保有しているポジションの価値(為替相場)が保有した時点よりも下がることで出てくる、一時的な損失のことです。買いポジションと売りポジションでは、含み損の考えは逆になります。
FXで買いポジションを持つという事は、通貨の価値が今後上がると予想するので、その時点で買いポジションを保有し、価値が上がった時に売る(決済)と利益になります。逆に価値が下がると一時的に含み損が出てきます。
一方、売りポジションを持つという事は、通貨の価値が今後下がることを予想するので、その時点で売りポジションを保有し、価値が下がった時に買う(決済)と利益になります。これも逆に価値が上がると一時的に含み損が出てきます。
少し難しいですが、「買いポジション」と「売りポジション」では逆の動きになると思えば大丈夫です。
含み損が出ても、その時点で実際に損失が出るわけではありません。しかし、そのタイミングで決済すると含み損の金額の損失が確定します。なので「含み」という言葉が付いています。
通常はFXの運用では含み損が出ているときに決済することはなく、為替相場が動き、利益が出るタイミングで決済し利益を得るように運用します。
ここでのポイントは、FXでの資産運用では「多少の含み損は常に出ている」という事です。それが未来の利益になるまで、為替相場が動くのを待つのです。
含み損がある時期は「我慢の時期」になり、価値が上がるまで待って決済する!という流れですね。
しかし、含み損はいくらでも大きくなっても問題ないのかというと、そうではありません。含み損が、ある一定の値よりも大きくなると強制的に決済されます。
これが『ロスカット』です。強制決済です。
※ロスカットはさらなる損失を防ぐための措置です
大きな含み損を抱えた状態でも、自分の意志とは別に強制的に決済され、大きな損失を被ってしまいます。これはFXのルールなので強制的に実行されます。
このように聞くと怖いイメージがありますが、ロスカットの仕組みをしっかりと理解すればリスクを抑えて資産運用できます。
それではロスカットについて詳しく見ていきましょう。
ロスカット【重要】
ロスカットとは、含み損が口座にある余裕資金を超える時に起き、FXの会社から強制的に実行されます。
文字だけ書くと分かりにくいので、一つの例を取って詳しく解説していきます。
以下の条件でFXする例で見ていきます。
■運用資金:100万円
■通貨ペア:米ドル円
■現在の為替レート:1ドル=100円
■取引金額(数):4万通貨
この条件の時に、4万ドル(通貨)を買う場合は
100円/ドル × 4万ドル(通貨) ÷ 25(レバレッジ) = 16万円
100円/ドル×4万ドルは400万円ですが、レバレッジがあるので4%の証拠金で売買の権利が得られます。つまり、取引価格の4%にあたる16万円でこの取引が実行できます。
この場合、運用資金100万円の内訳は、証拠金16万円、余裕資金84万円となります。
含み損は、ポジションを保有した時点の為替相場(ここでは100円/ドル)が下がっていくと増えていきます。
例えば、100円/ドル ⇒ 99円/ドル になった時は、保有している通貨数(ここでは4万ドル)×1円分の含み損が増えます。
4万通貨 × 1円 = 4万円
米ドル円の為替相場1円が変動(買いポジションの時は下がる)すると4万円の含み損となります。
そして、為替相場がさらに下がり続けると含み損は大きくなり、1円の変動幅に対して4万円ずつ含み損が増えていきます。
図のように、含み損が増えると同時に余裕資金も減っていきます。
そして、
ロスカットは含み損が増え余裕資金が無くなった時に自動的に発動します。【重要】
それでは、この例の時は為替相場がいくらになった時にロスカットするか分かりますか?
答えは、「米ドル円=79円」になった時です。
計算式としては
為替相場が1円下がったら4万円の含み損が出るので、余裕資金の84万円でどこまでの含み損に堪えられるかを計算します。
84万円 ÷ 4万円 = 21円
ポジションを保有した時点の為替相場(ここでは100円)から21円下がった時がロスカットとなるので、
100円(ポジションを保有した時の為替相場) ― 21円 = 79円 となります。
つまり、この例では円高が進んで米ドル円の為替相場が79円になった時にロスカットとなります。
ロスカットした場合の損失額は、このケースだと84万円になります。必要証拠金の16万円は残ります。FXが怖いというイメージは、このロスカットだと思いますが、運用資金(ここでは100万円)以上に大きな損失を被ることはありません。
私も勉強する前は、FXは自分が仕掛けているお金以上の損失が出ると思っていましたが、決してそのようなことはありませんので。それはレバレッジのことです。
ロスカットと損切の違い
ロスカットと損切の違いについて説明します。
ロスカットは、含み損が余裕資金よりも大きくなったときにFX会社から強制的に決済されます。
一方、損切は「自分の意志で含み損を抱えた状態でポジションを決済する」ことです。言い換えれば、これ以上損失が大きくなる前に決済して被害を少なく抑えることです。
例として、為替相場が85円まで下がった状態で、これ以上損失が出る前に60万円で決済する場合です。
79円まで下がるとロスカットされ84万円の損失が出るので、60万円の損失で食い止めるケースです。
FXは為替相場次第のところがあるため、含み損が増えていくと「これ以上の損失(含み損)が大きくなる前に決済してポジションを手放す。」と判断することがあります。ロスカットになるよりは被害を小さく食い止めるという思想ですね。
【注意点】
ここで計算している含み損などの数字は実際とは異なる場合がありますので、実際にFXする際は自己責任での判断となります。あくまで開設するために用いた値です。
リスク管理
ロスカットについて解説してきましたが、少し怖いイメージが付いたかもしれません。しかし、リスクを明確にすることができたのではないでしょうか。
私の資産運用の方針は、「溶かしてしまっては意味がない」なのでロスカットや損切で資産が減っては仕方がありません。なので、私はリスクを抑えてロスカットしないような運用をしています。
つまり、FXのリスク管理は
『ロスカットレートをどのように設定するか』という事を自分で決めます。
FXのリスク管理については2つの方法があります。
- 運用資金を増やす
- 取引金額(数)を減らす
上記の例では、ロスカットレートは79円ですが①運用資金と②取引金額を変動することで、ロスカットレートがどのように変わるか、いくつかの例で見てみましょう。
このように、運用資金と通貨数を変えることでロスカットレート(リスク)を自分で設定できます。トラリピを始めると毎日、為替相場を見るようになると思いますので、現時点の為替相場からリスク管理をできるという訳です。
ロスカットの仕組みとロスカットレートを自分で設定することで、数量的に明確なリスク管理ができます。この点が、他の投資と違ってリスク管理がしやすい資産運用であると考えています。
トラリピのリスク管理については、こちらの記事に分かりやすく書きましたので併せてみて下さい!
ロスカットレートは、過去の為替相場から判断しますが、リーマンショックなど過去最大に下がった(もしくは上がった)値としています。
さらに、リーマンショック級の変動があったとして、運用資金の約3割の現金を準備していつでも入金してロスカットのリスクを下げることができるような運用としています。
それほどの低リスクの運用でも、年利10%以上の利益を得ることができています。
具体的な運用資金などについては、こちらの記事に分かりやすく書きましたので併せて見て下さい!
お付き合いいただきありがとうございました!
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